第2章 建材(素材)を見分ける
●第1節 なぜ「素材を見分ける」ことが大事なのか
同じ洗剤でも、素材が違えば結果は真逆になる、なぜ素材によって結果が違うのか?
身近な失敗例から学ぶ
第2章 建材(素材)を見分ける
①同じ「汚れ」でも、素材が違えば正解は変わる
ビルクリーニングの5原則 ― 「汚れを知る・建材を知る・洗剤を知る・作業方法を知る・保護膜を施す」の2番目です。
今回は素材に注目しましょう。同じ「汚れ」でも、床が石材系タイルなのか、樹脂系シートなのか、繊維のカーペットなのかで、使っていい洗剤も道具もまったく変わってきます。
②同じ洗剤でも、素材が違えば結果は真逆になる
汚れの見極めを間違えても「効率のいい洗浄ができない」だけですが、素材の見極めを間違えると、とても大きな問題になることが多いんです。さっきの酸性洗剤がいい例で、便器の尿石にはよく効きますが、大理石の床にうっかり垂らすと、表面がツヤを失って白く曇ってしまいます。
素材ごとに「性質」がまるで違うからです。たとえば天然石材は、細かい鉱物の集合体です。酸に触れると鉱物が化学反応を起こして溶け出し、表面がザラザラ・白っぽくなります。
③一方、塩ビ系の床材はプラスチックの一種で、酸やアルカリには比較的強い。ただし有機溶剤や熱には弱くて、シミや変形の原因になります。金属は逆に、有機溶剤や熱には強いものが多い。ただしステンレスでも強い酸やアルカリで腐食や変色を起こすことがありますし、アルミや真鍮は酸・アルカリに対して非常にデリケートです。
④カーペットは水分や洗剤が繊維の奥まで浸み込みやすく、乾きにくいという別の性質を持っています。繊維の種類によって洗剤の選択も変わります。つまり、素材の「性質」を理解していないと、洗剤の強さや相性を正しく判断できないんです。見た目だけでなく、成分や構造まで知識を深めることが、事故を防ぐ第一の鍵ですね。
まとめ
・天然石は酸に弱く、プラスチックは熱に弱いなど、素材ごとに弱点が異なる。
・汚れだけでなく素材の「性質」を理解することが事故防止の要。
・見慣れない建材は必ず素材を確認し、目立たない場所で試してから本格清掃する。

