第2章 建材(素材)を見分ける
第3節:弾性床材や塗装建材等の見分け方

①塩ビ系床材の特徴
②リノリウムの特徴
③ゴム床材の特徴
④木質系床材(フローリング)の特徴
④塗装建材・化粧建材の特徴

第3節:弾性床材や塗装建材等の見分け方
塩ビ系床材の特徴
①事務所や商業施設でおなじみの塩ビ系床材 ― Pタイルや長尺シートです。
塩ビ系は熱と有機溶剤に弱い性質がありますが、アルカリ洗剤には強い。だから樹脂ワックスで管理できて、長年多用されてきたわけです。
表面に硬いコーティングが施された床材ですね。樹脂ワックスが不要と謳っていても、実は最初のうちだけなんです。さらに、まったく不要という床材もあります。樹脂ワックスを塗布する場合は、あらかじめ目立たないところで洗浄・塗布して「密着テスト」を行うことが推奨されていますよ。

②リノリウムの特徴
塩ビ系とよく間違えられますが、まったく別の素材なんです。天然の材料でできてるんですってね。
亜麻仁油や木粉、コルク粉などの天然原料からできた床材で、見た目は塩ビに似ていても、中身は天然木材に近い性質です。抗菌性があるので、病院や保育施設での採用が多いんですよ。独特の、わずかに油っぽい匂いがするのが手がかりになります。そしてリノリウム最大の弱点が、アルカリ性洗剤と水分です。天然木材の成分は強いアルカリ洗剤に触れると反応して茶色に変色します。水分を吸うと膨張してもろくなり、洗浄を繰り返すと反りや浮きの原因にもなります。
リノリウムにとって最も避けたいパターンの一つです。近年は表面に硬いコーティングを施して、耐久性や耐アルカリ性が向上したと謳うリノリウムも出てきました。ただ、それを現場で見分けるのは難しいですし、繰り返し洗浄すればアルカリ洗剤の影響は無視できないでしょう。過信は禁物です。

③ゴム床材の特徴
病院つながりだと、ゴムの床もありますね。学校とかジムとか。
ゴム床材の特徴は、独特の弾力と、押すとしっかり痕が戻る反発弾性です。滑り止めのために、表面に細かい粒状やリブ状の凹凸加工がされていることも多いですね。
弱点は油分と有機溶剤。ゴムは油に触れると「膨潤(ぼうじゅん)」といって、油分を吸ってふやけたようになるんです。
それと紫外線にも弱くて、直射日光が当たり続ける場所では硬化してひび割れが起きることもあります。

④木質系床材(フローリング)の特徴
木質系フローリングは、表面のコーティング ― オイル処理やウレタン塗装、あるいは表面フィルムによって守られています。
見分け方としては、木床は継ぎ目も木でできているのが特徴ですね。重要なのは水分に弱いという点です。特に継ぎ目が水分に弱いんです。木材は水分を吸うと膨張し、乾燥すると収縮するので、水拭きのしすぎは反り・隙間・割れの原因になります。モップは固く絞る。これは新人に口を酸っぱくして言ってます。
木粉を含むリノリウムと同じ理屈で、アルカリ洗剤で茶色に変色しやすいので、中性に近い洗剤を使う必要があります。

⑤塗装建材・化粧建材の特徴
床以外も一つだけ。什器、家具、建具によく使われる塗装建材や化粧建材です。表面にごく薄い膜があるだけなので、非常にデリケートなんです。
光沢が一面に均一なので、塗料の塗装や樹脂シートの貼り合わせであることは分かりやすいと思います。
注意すべきは道具のほうで、研磨剤入りのクレンザーやメラミンスポンジを多用すると、表面が傷ついて白くくすんでしまうことがよくあります。
凹凸面の汚れを掻き出す能力に優れている一方で、非常に細かい研磨作用も持っています。洗う対象を傷つけないか、注意して使う必要があるんです。
「よく落ちる」は「よく削れてる」かもしれない、と伝えなきゃいけませんね。

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